ご相談あれこれ

不動産鑑定評価額が違うのはどうしてですか?

一番多いご相談が、評価書を2件お持ちになって、「先生、鑑定評価額がこんなに違うんですがどうしてでしょうか?」と言うご相談です。 早速拝見すると1件目は「価格調査報告書」で総ページ数3枚の簡易なものです。もう1件は本のように分厚い正式な「不動産鑑定評価書」でした。 金融機関の方は「どちらも不動産鑑定士さんの署名があります。どこが違うのでしょうか?」と言われました。
私は「不動産鑑定評価書は1ヶ月位掛けて調べつくして作ったものです。一方、価格調査報告書は3枚から成っているものでこちらは1日程度の作業で、あくまで参考程度です。」とお答えしました。 もちろん価格調査報告書の中には、鑑定評価書と同水準のものもありますが、一般的には参考として作成されています。この2つを一緒にして議論したのでは、正式鑑定評価書が可哀想ですね。

不動産評価評価書でも鑑定士によって価格が違う?

私は不動産鑑定評価書のセカンドオピニオンを約3千件行いました。もちろん大半の鑑定評価書は良心的で良い評価書ですが、残念ながら一部のものは首を傾げざるをえないものもあります。 だから、セカンドオピニオンの必要性があるとも言えますが・・・。
問題のある評価書の多くは、市場の価格水準よりも高く評価されているものです。特に開発関係は未だ建物が建っておらず賃料も決まっていません。従って、賃料、経費等ほとんどの数値が想定になります。 例えば、賃料水準を坪当り1.5万円にするのか1.8万円にするのかだけでも結果は大きく違ってきます。
セカンドオピニオンでは、既に稼働している類似のビルの状況、各機関が発行している統計データ、仲介の方から頂く直近のマーケット情報等を検証します。まあ3千件もレビューすれば誰でもセカンドオピニオンは書けますが・・^^;